突然ですが、皆さんPS4「メタルギア(Metal Gear Solid 5)」の「クワイエットさん」を覚えていますでしょうか?あの「んっん~♫」の鼻歌で有名な露出狂スナイパーです。(ちなみにクワイエットさんは皮膚呼吸で生きているため、露出多めの設定)
当時、私がCGだと思ってたクワイエットさんですが、なんと役者がいます。「ステファニー・ヨーステン」さんと言う名前で、その彼女が今回のメインキャラであるカティアの声優を務めております。メインテーマも歌います。ステファニーさんはルックスやプロポーション的にも、当初ハリウッドスターかと思いましたが、国内の事務所に所属する国内在住のオランダ人モデル、女優、声優、歌手なのですね。日本語も上手のようです。
ミーハーな切り出しになりましたが、何が言いたいのかと言うと、ダークファンタジーは雰囲気が大事なので、そのダークな雰囲気を出すために、役者の役割も重要なのです。通常の国内メーカーなら、ここは何も考えずに萌え萌えプリンプリンなロリヴォイスの人気声優に奇声を上げさせて、大きなお友達に媚びるたりするのですが、真面目で骨太なダークファンタジーを目指しているせいか、そういうフワトロ要素はなく安心して遊べます。もちろん世界観がアニメならば人気声優でも問題ありませんが、今回は現実の女優を起用することによって、世界観に沿った骨太なリアリティーが注入され、没入感の高い良質なVRゲームが完成するのです。
あとはもちろん世界での販売を見据えているので、国籍に縛られない起用をしたのでしょう。ラストラビリンス(以後「ラスラビ」)は、このように声優にも力を入れているので、メーカーさんのゲームに対する強いこだわりを感じます。
ゲームストーリー
見知らぬ館にて全身を車椅子に 拘束された主人公が言葉の通じない謎の少女「カティア」と協力し、仕掛けられた数々の罠を突破して、無事脱出できるのか? そして謎を解きあかせるか?
VRに特化した高度な没入感の中、少女カティアとのジェスチャーでコミュニケーションを図って一緒に脱出しよう!というVR脱出アドベンチャーゲームです。
映画で言えば「SAW」と「Cube」と「レオン」の要素を持つ、冒険あり、謎解きあり、ホラーあり、人情あり、葛藤ありの豪華な作品です。
ゲームシステム
ディレクター/プロデューサーはゲーマーならみんな知っているあの「どこでもいっしょ」シリーズの ディレクター/プロデューサー 、高橋宏典さんです。ゲーム市場の新しい可能性を模索してきた方なので、このVR開拓期においても大変活躍されると思います。氏にとっては十数年ぶりのPSプラットフォームでの開発売となるとのことで楽しみです。今回は実質「カティアといっしょ」とも呼びますね。
発売前は、主人公は身動きが取れず、言葉以外の方法でコンタクトをとるという点から、視点で操作をして謎解きをする「星の欠片の物語 (PSVRで発売中) 」に似た印象を持ちました。でもラスラビは 開発期間を多くとってあり、ステージやギミックも細部まで作り込まれ、スケール大きなゲームです。各部屋は映画「キューブ」さながらに、危険でユニークな罠がはってあり、その罠を車椅子に縛り付けられた主人公がカティアに指示を出してクリアしていきます。
内容
ゲームの内容は謎解きパズルですが主人公は声すらも出せない拘束状態。傍らにはカティアという少女が常にいます。 主人公 は首を動かすことしかできないので、顎でカティアに指示を出してパズルを解いていくスタイルのゲームです。
ゲームが進めば進むほどカティアに対して情が湧く中、究極の選択を迫られたりと、心を揺さぶることを目的としたデザインの作品です。
パズルに失敗するとカティアも主人公も死にます。 凄惨なお仕置きシーン付きなのですが、これがまた凝っており、各部屋ごとにVRで気合の入ったお仕置き死亡シーンを一人称で見れるところがこのゲームの売りの1つであるので素直に必見です。ただ、1つだけ安心してほしいのは、凄惨なお仕置きシーンにおいても血は一滴も出ません。その辺はプレイヤーの想像力に任せており、全てはプレイヤーのイメージ次第なのです。
操作方法
シンプルです。ボタンを押すと額からレーザーポインターが出るので、 カティアに操作してほしいオブジェクトを頭で向いて ポイントをする事によって指示を出します。MOVE対応ですが、このゲームに関してはデュアルショックコントローラーでも遜色なく遊べます。
パズル
このゲームは謎解きパズルゲームではあるが、カチュアという美少女やダークな雰囲気、意欲的なVR表現等でパズルや謎解きに慣れていないプレイヤーも惹きつけている為、パズルの難易度は中ぐらいに押さえてあります。また、パズルが解けなくても、時間をかけてすべてのパターンを総当りでやればなんとかクリアできるようにデザインされています。
怖さ
VRホラーと言われると怖すぎて遊べないとかぬかす非ホラーファンな方々が大量にいるため、今作は当初なるべくホラーではなくダークファンタジーと吹聴しておりました。頑張ればスリラーとも言い張ることができますが、あの「SAW」もサイコスリラーと言われる傍ら、ホラー作品として認知されているので、まぁこれは素直にホラーでしょう。
このゲームはキャラから血の一滴も内臓の1つも出てこない分他のホラーと比べてそんなに過激ではないので、 VRホラー入門用にもってこいだと思います。
音楽
もちろん雰囲気を出すために音楽も重要です!その辺りも抜かりがなく、音楽はなんと聖剣伝説2と3の音楽を担当された菊田裕樹さんです。聖剣伝説シリーズはどれも雰囲気抜群のBGMでしたね。筆者は聖剣伝説2で流れたBGM「妖精族のこども」という曲が生涯忘れないぐらい大好きで、最初「踊るけものたち」というBGMがイベントをクリアして初めてこのBGMとして完成する部分に大変感動したのを覚えています!なので音楽もとても楽しみなのです!!あとカティア役のステファニーさんが歌うテーマ曲も気になります。近日HPで発表とのことです。
VR醉い
車椅子に縛り付けらているという設定のおかげで、主人公の移動は最低限に抑えられ、操作も常に静止状態で行われます。このようにゲームの仕様の時点でVR酔い対策がされているので、VR酔いの要素は皆無で、 例外はありますが理論上 VR酔いが起きないゲームです。部屋の移動時も暗転のみなので、酔いやすい方にはありがたい仕様となっています。
まとめ
脱出系ホラーとVRは非常に相性が良いもので、その相乗効果によって没入感がが大幅にアップします。没入感が高まることによって、カティアへの感情移入も進み、カティアと一緒に謎解き冒険をどこでもいっしょできるのです。
プレイヤーの頭脳に個人差があるので、みんながエンディングまでたどり着けるわけではないのが難点ですが、ある程度パズルに選択肢があったり、1回目のエンディングにすぐたどり着けたりと、随所に配慮もされています。
個人的に「ラストラビリンス」はあの国産怪奇小説「ドグラ・マグラ」を意識しているのと思いました。故に、ラスラビは一見西洋ファンタジーなのに構想の時点から純国産なのかなと。
プロデューサーの高橋氏曰く、意識はしていなかったが、個人的に夢野久作もドグラ・マグラも大ファンとのことです。
ラストラビリンスは買いか?
VRに関しても、ホラーや怖さに関しても、謎解きに関しても、カティアに関しても、入門ゲームとして非常に優れたゲームなので、いずれかに興味を持った方は購入してみてはいかがでしょう?
トロコンを目指す熟練ゲーマーにとっても手応えのあるゲーム内容なので、金額的にも納得にいく内容だと思います。
没入感が高いので、極限のシチュエーションにいるというヴァーチャル体験をしたい方にはもってこいです。
ホラー特化評価
ホラーゲーマーのためのホラーゲーマーによる独断と偏見によるホラー度の評価です。ゲームの面白さとは関係ない評価です。
怖さ B-
ホラー環境 78
ホラー音環境 80
ホラー要素 76
びっくり度 71
ストーリーの怖さ 80
キャラホラー度 30
ホラー演出 76
ゴア度 0
没入感 95
酔いやすさ 5
やりこみ度 88
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